キャリアアンカーにおける「管理職志向(General Managerial Competence)」

2024年12月29日

キャリアアンカー:あなたのキャリアで本当に大切にするもの ではキャリアアンカーの全体像を説明しました。

この記事では、8つあるキャリアアンカーのうち管理職志向(General Managerial Competence)に焦点を当てて詳しく説明します。

目次

管理職志向タイプが求めている仕事の特徴

管理職志向の人々は、組織全体を見渡し、チームや部署を統括し、成果を最大化する責任を担うことにやりがいを感じます。このタイプの人々が求める仕事の特徴には、以下のような要素が含まれます:

  • 広範な責任範囲:自らの影響が及ぶ範囲が広く、組織全体の戦略や意思決定に関与できる仕事。
  • リーダーシップ発揮の場:人々を動機づけ、方向性を示し、チームを成功に導ける役割。
  • 意思決定の自由度:高い裁量権が与えられ、重要な意思決定を下せる環境。
  • 多様なスキルを活かせる機会:戦略的思考、人材管理、財務管理、交渉力など、幅広い能力を活用できる。
  • 成長志向の環境:組織やチームを成長させるためのチャレンジングな目標やプロジェクトが存在する。

求めている評価システム

管理職志向の人々は、リーダーとしての能力や成果が正当に評価されることを強く望んでいます。そのため、以下のような評価システムを求めます:

  • 成果重視の評価:チーム全体のパフォーマンスや、組織目標の達成度に基づいて評価される。
  • プロセスの重要性:結果だけでなく、プロセスや意思決定の質も評価に含まれる。
  • 定量的・定性的な指標の組み合わせ:売上やコスト削減といった定量的指標だけでなく、チームの士気向上やリーダーシップの質といった定性的な側面も重視される。
  • 360度評価:上司、部下、同僚など多方面からのフィードバックを組み込む。
  • 透明性:評価基準や方法が明確で、公平性が担保されている。

求めている昇進システム

管理職志向の人々は、キャリアの進展を重要視しており、組織内での階層的な昇進を目指します。以下のような昇進システムが理想的です:

  • ピラミッド型の昇進ルート:明確なキャリアパスが示されており、部長、役員、CEOなどのステップが可視化されている。
  • 成果と能力に基づく昇進:単に年功序列ではなく、実績とリーダーシップ能力が昇進の主要な基準となる。
  • リーダーシップ育成プログラム:次世代のリーダーとしてのスキルを磨くための教育やトレーニングが提供される。
  • 国際的な視点:グローバルに活躍する機会や、異文化マネジメントの経験を積める昇進ルートが含まれる。
  • 正当な競争:昇進に向けた選考が公平で透明性のあるプロセスで行われる。

求めている承認のされ方

管理職志向の人々は、組織内外で自身のリーダーシップや管理能力が認められることを求めています。そのため、以下のような承認のされ方を理想とします:

  • 公式な場での表彰:会議やイベントなど、公式な場で功績が認められる。
  • 組織全体の信頼獲得:部下からの信頼だけでなく、上司や取締役会など、組織全体からの支持を得られる。
  • 目に見える成果としての承認:例えば、昇進、プロジェクトの成功、予算の増加など、具体的な形での承認。
  • ステークホルダーからの評価:顧客や取引先など、外部のステークホルダーからの評価を受けること。
  • 称賛よりも信頼:単なる賞賛よりも、意思決定を任されるなど、信頼される形での承認を重視する。

志向している仕事と生活のバランス

管理職志向の人々は、仕事と生活のバランスを取ることよりも、仕事に重きを置く傾向があります。しかし、現代ではこのバランスを模索する人も増えてきています。以下は、その特徴です:

  • 仕事優先型:特にキャリアの初期や中盤では、仕事に多くの時間を費やすことをいとわない。
  • 柔軟性のある働き方:責任が大きい仕事に対応するため、時にはリモートワークや柔軟な働き方を求める。
  • 家族との時間の確保:仕事に集中する一方で、家族やプライベートの時間を重要視する場合もある。
  • 長期的な視点:短期間の多忙さは受け入れるものの、長期的には仕事と生活の調和を図ることを目指す。
  • 健康管理の意識:リーダーとしての役割を果たすために、体力やメンタルヘルスの維持に努める。

まとめ

管理職志向の人々は、組織全体を俯瞰し、リーダーシップを発揮することで大きなやりがいを感じます。彼らが最大限の力を発揮するためには、責任範囲が広く裁量のある役割、成果主義に基づいた評価、そして公正で透明性のある昇進システムが必要です。また、仕事に重きを置く傾向があるものの、長期的には仕事と生活のバランスを図るための柔軟性も求めています。


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